皆さんは和紙ってご存知ですよね。
「当たり前じゃないか、日本古来の紙のことだろ」とお叱りを受けそうですが、洋紙との違いについては正しく理解していない方がいらっしゃるかもしれません。
というよりも、現代ではあまりに身近すぎる洋紙について“は”知らないことが多いと言った方が適切かもしれませんね。
今回はその「和紙と洋紙の違い」について簡単にご説明しようと思います。
両者はまず原料が大きく違います。

和紙と洋紙の原料の違い

和紙は植物の皮(の内側の白っぽく柔らかい部分)から作ります。
植物は楮(こうぞ)や麻など種類も様々ですが、ここでは割愛します。
無責任ですが和紙の原料についてご興味があればぜひ、ご自身で調べてみてください。

洋紙は木材チップ(=パルプ。他の用途に使用し残ってしまった端材や間伐材、解体材など)を使います。
洋紙=パルプ紙という認識で間違いないです。
乱暴に言えば、柔らかい植物から作れば和紙、硬い木材から作れば洋紙くらいに覚えておきましょう。
さて、洋紙の代表的なものは、身の回りの紙は「ほぼすべて」と言っても過言ではありません。
雑誌や本などの書籍、コピー用紙、段ボール、各種商品パッケージ、新聞、チラシにあれこれ。
オムツ、ティッシュペーパーやトイレットペーパにキッチンペーパー、最近ではストロー本体などにも使われています。まぁ用途は幅広くてキリがありません。
なにしろパルプ紙は安く大量生産ができますから、使い捨てが宿命である紙には打ってつけですよね。
使い終われば焼却できるし、程度次第で再生紙として再利用もできるパルプ紙は、いかにペーパーレス社会が進もうとも現代には欠かすことのできない重要な素材です。

現代の障子や襖紙の真実

これに対し和紙となると一体どんなものがあるでしょうか?
もしかしてご自宅でお使いの障子や襖紙が和紙だと思っている方って結構いるんじゃないですか?
「障子紙だから当然和紙?」と思っている方は残念ながらハズレです。
最近の障子襖紙の材料は、現代では木材チップから作られたパルプ紙が使われていることがほとんどです。
もちろんパルプと和紙のハイブリットのものもありますが、和紙100%の障子紙や襖紙は手に入り難くなってきました。
メーカーも割が合わないからでしょうか。
障子の場合、初めは輝くような白さ!お部屋は明るくなり気分も清々しい感じになりますよね。
ところが数年経つと…障子、日焼けが進んでないですか?
やけに日焼けが早いと思いませんか?
破れかかっているところからパリパリポロポロ粉状にこぼれてきませんか?
見た目も悪いしだらしがない感じに見えちゃいますよね。

パルプ紙の特徴と「白さの秘密」

実はパルプ紙の障子(というよりパルプ紙すべて)って、漂白剤や発色剤・蛍光剤を使って光り輝くキレイな白さにしているのですよ(ナイショの話)。
元々木材チップを液体で溶かして茶色く濁った原料から作るので仕方ないことですが。
話が変わりますが、皆さんは紫外線って気になりませんか?
紫外線はお肌の天敵!
シミ・シワ・くすみや乾燥の原因であるばかりか、様々なモノの劣化をもたらす厄介なものですが、生活する上でなかなか抗えないし避けられないものの一つ。
紙にとっても黒く変色してしまう直接的な原因は日にあたることなのです。
逆に言えば、日焼けや劣化を遅らせるには日にあてなければ済む話。ってわけにもいかないし…。

和紙ならではのメリット

さて思い出してください。和紙の原料は何か?
そう、植物の皮(の内側の白っぽく柔らかい部分)です。
木材チップと違って和紙の原料は初めから白っぽいのです。
ということは、漂白剤や蛍光剤、発色剤を使わなくて済むのです。
はい、御名答。和紙100%の障子紙は余計な化学薬品を使っていないので日焼けしにくいですね。
さらには年々色素が抜けて白さが増してくるという特典付き。
和紙100%の障子紙や襖紙は植物の繊維が複雑に絡み合って丈夫だし、しっかりした厚みや手触りが違っていて、梅雨時期も伸びも少なくパルプ紙とは一目瞭然。
末長く上質な室内にしたいのなら、ぜひ和紙100%を選ぶと満足度が格段に高くなりますよ。おすすめです!

絶対に避けたい紙

和紙と洋紙の違いがやんわりとご理解いただいたところで、障子紙にしても襖紙にしても絶対に選んではいけない紙もございます。
それは再生紙
理由は…ここでは書きようがないので直接お問い合わせくださいね。
製造しているメーカーさんに対する悪評になってしまう恐れがあるので(笑)

その他、意外な紙製品

ちなみに、まさかと思う方もいらっしゃいますが、最近では畳も紙製だったりします
機械漉き和紙を使用し、豊富なカラーバリエーションと高い耐久性でお部屋の雰囲気が一変します。
もちろん当店でも取り扱いがございますので、気になる方はぜひお問い合わせください
サンプルをお持ちしてしっかりご説明させていただきます。

金沢屋 郡山・金屋店は、郡山市での襖・障子・網戸・畳の張り替えや修理、メンテナンスを専門に行っております。各地域の特性に合わせた適切なご提案を行い、お客様のニーズに合わせた高級襖や畳の交換や張り替えを行いますので、お困りの方はぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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それではまたお会いしましょう。
次回はやってはいけない網戸のお手入れ(ドアの鍵穴も同じ!)
ヒントは「機械油や潤滑剤は万能か!?」です。乞うご期待!